昨今の不況の影響で会社の経営内容がよくありません。そこで従業員の賃金を減額したいのですが、会社業績悪化の詳細な説明さえしておけば問題ないのでしょうか。

 賃金の減額は労働条件の不利益変更に該当します。労働契約法第8条には「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」とあり、原則としてすべての従業員の個別同意を取る必要があります。もちろん詳細な説明も必要です。

 

尚、同意が取れない場合に、就業規則のみを変更して賃金の減額を行う場合がありますが、労働契約法第10条により変更後の就業規則が5つの観点から合理的であること、又その就業規則を周知しておくことが要求されています。

 

最終的に裁判所が変更後の就業規則の合理性の有無を判断するのですが、賃金や退職金など「重要な権利、労働条件の変更」の場合、高度の必要性が求められており、安易に不利益変更を認めていない判例が多いことから、個別同意の取れない賃金の減額には細心の注意が必要です。